会社員ができる節税対策まとめ|経理が優先順位をつけて解説【2026年版】

「会社員は節税できない」とよく言われますが、正しくは「自動でやってくれる人がいないだけ」です。会社の年末調整は最低限の控除しか処理してくれません。自分で動けば、手取りは確実に変わります。

この記事では、会社員が使える節税策を「effort(手間)対 effect(効果)」で優先順位をつけて紹介します。上から順に検討してください。

優先度S:ふるさと納税(手間:小/効果:確実)

厳密には節税ではなく「税金の前払い+返礼品」ですが、実質負担2,000円で寄附額の約3割相当の返礼品がもらえるため、やらない理由がほぼありません。

副業をしている人への重要な注意:確定申告をすると、ワンストップ特例の申請はすべて無効になります。副業所得が20万円を超えて確定申告する人は、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告に含めて申請し直す必要があります。忘れると自己負担2,000円では済まなくなるので要注意です(20万円ルールの記事も参照)。

優先度S:新NISA(手間:小/効果:大・長期)

2024年に始まった新NISAは、運用益が無期限で非課税になる制度です。通常、投資の利益には約20%の税金がかかるので、長期で見ると非課税効果は非常に大きくなります。

年間投資上限対象
つみたて投資枠120万円金融庁基準を満たす投資信託
成長投資枠240万円上場株式・投資信託など

生涯投資枠は1,800万円。まずは「つみたて投資枠で低コストのインデックスファンドを毎月積立」が王道です。投資なので元本保証はありませんが、節税口座として使わない手はありません。

優先度A:iDeCo(手間:中/効果:大・ただし60歳まで引き出せない)

iDeCo(個人型確定拠出年金)の最大の魅力は、掛金が全額所得控除になることです。たとえば月2.3万円(年27.6万円)を拠出する会社員(所得税率10%)の場合、所得税+住民税でおおよそ年5.5万円前後の税負担が軽くなります。

ただし原則60歳まで引き出せないため、住宅購入や教育費などの資金計画と相談して金額を決めてください。優先順位としては「ふるさと納税・NISAをやったうえで、余裕資金があれば」が現実的です。

優先度A:年末調整で漏れがちな控除を拾う

経理として年末調整を見ていると、申告し忘れが本当に多いのがこのゾーンです。

年末調整で出し忘れても、確定申告(還付申告)で5年までさかのぼって取り戻せます

優先度B:医療費控除・セルフメディケーション税制

年間の医療費が10万円(または総所得の5%)を超えた分は医療費控除の対象です。本人だけでなく生計を一にする家族全員の医療費を合算できるのがポイント。通院の交通費(公共交通機関)も対象です。

10万円に届かない場合でも、対象の市販薬の購入が年間1.2万円を超えていればセルフメディケーション税制(上限8.8万円)が使える可能性があります。どちらか一方のみ選択適用です。

優先度B:副業の経費を正しく計上する

副業をしているなら、経費の計上は合法的かつ効果の大きい節税です。副業に使った通信費・書籍代・機材費・自宅作業スペースの家賃按分などは、実態と根拠(領収書・記録)があれば経費にできます。

逆に、実態のない「なんでも経費」は税務調査で否認され、加算税の対象になります。「事業との関連を説明できるか」が判断基準です。

まとめ:今日やることリスト

  1. ふるさと納税の控除上限額をシミュレーターで確認する
  2. NISA口座を開設し、つみたて投資枠の積立設定をする
  3. iDeCoは資金計画と相談して検討する
  4. 年末調整の控除漏れがないか過去分も見直す(5年さかのぼれる)
  5. 医療費の領収書・通院記録を家族分まとめて保管する習慣をつける

節税は「知っているか・動くか」だけの差です。1つずつで構わないので、今日できるものから着手してみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談や投資勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。制度は2026年6月時点の情報に基づきます。最新情報は国税庁金融庁のサイトでご確認ください。