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副業の実務

【実務記録】経理で使うExcel|関数より大事だったこと

2026年6月28日

「経理ってExcelをどのくらい使うの?」「どんな関数を覚えればいい?」——経理を目指す人からよく聞かれる質問です。

会計ソフトが普及した今でも、経理とExcelは切っても切れない関係です。ソフトから出したデータの加工、資料作成、チェックなど、Excelが使えるかどうかで仕事の速さが大きく変わります。この記事では、経理歴22年の現役経理が実務で本当に使うExcelスキルを、ムダなく厳選して紹介します。ここで書く使い方は、副業の記帳代行でそのまま時間の差になります。最後にその話も書きました。

経理はどんな場面でExcelを使う?

まず「どこで使うのか」をイメージしましょう。会計ソフトがあるのに、なぜExcelが要るのか。

  • 会計ソフトから出したデータの加工・集計:CSVで出力して並べ替え・集計
  • 月次資料・管理資料の作成:経営者向けに数字を見やすくまとめる
  • 残高や数字の照合(チェック):2つのデータを突き合わせてズレを探す
  • 予算と実績の比較表:予算と実績の管理の資料づくり

つまり、会計ソフトが「記録」、Excelが「分析・加工・チェック」という役割分担です。両方使えてはじめて、経理の仕事はスムーズに回ります。

現場から経理歴22年の管理人

意外に思われるかもしれませんが、経理になってからのほうが、Excelを使う量は減りました。

いちばん使っていたのは営業事務をしていたころです。在庫の管理表、原価の一覧、納期の管理表。数字を並べて動きを追いかける表を、毎日いじっていました。

いまの経理でExcelを使っているのは、こんなところです。

  • 毎月おなじ形で数字だけ変わる仕訳をExcelで作り、会計ソフトにCSVで取り込む/10日・20日・末日の支払、給与、賞与、借入金の返済、仕入、売上、棚卸、社会保険など
  • 人事ソフトから社員情報を出力して、自分用のリストに貼る(選び間違いを防ぐためドロップダウンリストにしています)
  • 借入金の返済管理表/利率と日数から、利息・元利・残高を出す
  • 消費税の端数処理/切り上げ・切り捨て・四捨五入は本当によく使います

ほかに、基幹システムから出したデータをExcelを経由して会計システムに取り込む仕組みもあります。ただしマクロは自分では書けません。作ってもらったものを使っています。

つまり経理のExcelは、きれいな資料を作るためというより、「同じ作業をくり返さないため」に使っている感じです。1回作れば、あとは数字を入れ替えるだけ。ここが営業事務のころとの違いだと思います。

経理が必ず覚えたいExcel関数

数ある関数のうち、経理実務で「これは必須」というものだけを厳選しました。まずはこの5つから。

関数使う場面
SUM合計。全ての基本
SUMIF / SUMIFS条件に合う数字だけ合計(勘定科目別・部門別の集計など)
VLOOKUP / XLOOKUP別の表から該当データを引っ張ってくる(コードから名称を呼び出すなど)
IF条件で処理を分ける(差額があれば「要確認」と表示など)
ROUND端数処理(消費税計算などで必須)

この中でもSUMIFとVLOOKUP(またはXLOOKUP)は出番が多く、集計とデータ照合のスピードが変わります。まずはこの2つから触ってみてください。

ただし今は、関数を全部覚えなければいけない時代ではありません。書き方が分からなければAIに聞けば教えてくれます。

そのかわりに要るのが、「自分が何をしたいのか」を言葉にする力です。「この表の、この列を、この条件で合計したい」——ここが自分の中で整理できていないと、AIに聞いても欲しい答えは返ってきません。覚える力より、頼み方を組み立てる力のほうが効いてくると感じています。

関数より先に「機能」を覚えると速い

関数と同じくらい、いや、人によってはそれ以上に役立つのが次の機能です。

ピボットテーブル

大量のデータを、ドラッグ操作だけで集計・分析できる機能です。勘定科目別・月別・取引先別の集計が一瞬。関数を組まなくても、マウス操作で多角的な集計表が作れます。私が実務でいちばんおすすめしたい機能です。

フィルター・並べ替え

大量の仕訳データから「特定の科目だけ」「金額が大きい順」などを瞬時に抽出。データチェックの効率が段違いになります。

条件付き書式

「差額がある行を自動で色付け」など、ミスやいつもと違う点を目で見つけやすくします。チェック作業の精度とスピードが上がります。

現場から経理歴22年の管理人

ひとつ、気をつけてほしいことがあります。Excelが得意なことと、経理ができることは別です。

どれだけ速く集計できても、その数字が何を意味しているのかが分からなければ、正しい資料にはなりません。「この金額はいつの、何の取引なのか」が分かって、はじめてExcelが役に立ちます。

順番は取引の中身を知る → 数字の意味が分かる → Excelで形にするです。逆から始めると、見た目はきれいなのに中身の合っていない表ができあがります。しかも合っていないことに気づけません。

だから、Excelの勉強が進まなくて焦る必要はありません。先に覚えるのは、会社の取引のほうです。

経理のExcelでミスを防ぐコツ

経理のExcelは「速さ」より「正確さ」が命です。経験上、ミスを防ぐために意識していることを紹介します。

  • 手入力をできるだけ減らす:関数やコピーで「人が打つ数字」を最小化する
  • 合計の検算をする:縦横の合計が一致するか(クロスチェック)を必ず確認
  • セルの結合を多用しない:集計やコピーでトラブルの原因になりやすい
  • 元データは触らず、別シートで加工する:原本を壊さない癖をつける
  • 数式が入ったセルを誤って上書きしない:必要なら保護をかける

「キレイな表」より「間違えにくい・後で見直せる表」を作るのが、経理のExcelの考え方です。

Excelスキルはどう身につける?

経理のExcelは、本を1冊読むより「実際の作業で使いながら覚える」のが一番です。とはいえ、独学の入口としてはこんな進め方がおすすめです。

  1. まずSUMIFとVLOOKUP(XLOOKUP)を使えるようにする
  2. ピボットテーブルで集計に慣れる
  3. フィルター・条件付き書式でチェック作業を効率化
  4. あとは実務で出てきた「これ自動化できないかな?」を一つずつ調べる

全部を一度に覚える必要はありません。必要になった機能から、その都度身につけていくのが、結局一番定着します。簿記の知識(簿記3級・簿記2級)とExcelスキルの両輪がそろうと、経理としての働き手としての価値はぐっと上がります。

この経験は、副業でこう活きます

Excelが得意なことと、経理ができることは別です。ただここで書いた使い方は、そのまま副業の時間に効いてきます。

「毎月おなじ形」を作れると、2か月目から速くなる

副業の記帳代行は、多くが月いくらの決まった金額です。つまり速く終わらせたぶんだけ、自分の時間あたりの手取りが上がります。

1か月目に「数字を入れ替えるだけ」の形を作っておけば、2か月目からの手間はぐっと減ります。毎月ゼロから手で入力している人と、ここで差がつきます。

受けるときに言えること

「毎月おなじ内容のものは、取り込み用の形を作ってまとめて入れます。1か月目に形を作らせてください」

こう言えると、相手も「慣れている人だ」と分かります。実際、こちらも2か月目から楽になります。

ただし、順番を間違えないこと

形を作るのは、取引の中身が分かったあとです。中身を分かっていないのに表だけ作ると、まちがった数字をきれいに並べることになります。1か月目は、手で1件ずつ見るくらいでちょうどいいと思っています。

現場から経理歴22年の管理人

私が実際に毎日使っているのは、ドロップダウンリスト(入力規則)・ショートカット・ピボットテーブル・条件付き書式の4つです。難しい関数を覚えるより、この4つを使えるほうが仕事は確実に速くなります。

それと最近は、関数の書き方が分からないときはChatGPTに聞いています。「こういう表から、こう集計したい」と伝えれば関数を教えてくれるので、関数を暗記することの意味は、昔より小さくなったと感じています。

まとめ

  1. 会計ソフトは「記録」、Excelは「分析・加工・チェック」の役割
  2. 必須関数はSUMIFとVLOOKUP(XLOOKUP)の二大関数から
  3. 関数より先に、ピボットテーブル・フィルターを覚えると速い
  4. 経理のExcelは「正確さ・見直しやすさ」を最優先
  5. 全部覚えず、必要になった機能から身につけるのが定着のコツ

Excelは、経理の仕事を速く・正確にする強力な相棒です。難しく考えず、まずはSUMIFとピボットテーブルから。使えるようになると、経理の仕事が一段ラクになります。

※本記事は筆者の実務経験に基づく一般的な解説です。Excelの機能名・操作は、お使いのバージョンにより異なる場合があります。2026年6月時点の情報に基づきます。

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管理人|経理歴22年
現役の経理事務職(日商簿記2級/FP3級)/ keiri-fukugyo.com

日商簿記2級・FP3級保有。中小企業で経理を担当しながら、総務・労務・人事も兼任しています。これまでに勤めた会社では、一般事務や営業事務も経験しました。実務で培った知識をもとに、副業に取り組む人向けの情報を発信しています。

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