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未経験から経理になるには|経理歴22年が教える準備とステップ

2026年6月26日

「経理に興味があるけど、未経験から本当になれるの?」——結論からお伝えすると、未経験から経理になることは十分可能です。私の周りでも、別職種や主婦から経理に入って活躍している人は何人もいます。

ただし、「何の準備もなく」となると話は別。経理歴22年の視点で、未経験から経理になるために必要な準備とステップを、年代別の現実も含めてありのままに書いていきます。

私は経理だけでなく人事も担当してきました。面接には同席するだけでなく、面接官として会社の説明や仕事内容の説明をして、私が面接をしたこともあります。自分自身も何度か転職しています。採る側と受ける側の両方から見た話を書きます。そして最後に、経理になったあと、その経験をどう副業につなげるかまで書きました。

未経験でも経理になれる3つの理由

まず、なぜ未経験でもチャンスがあるのかを押さえましょう。

  • 経理はどの会社にも必要:業種を問わず一定の求人が常にある
  • スキルが明確で勉強しやすい:簿記という体系化された知識で「やる気」を示せる
  • 一度身につければ長く働ける:年齢を重ねても経験が活きる職種

特に「簿記という資格で意欲と基礎力を客観的に示せる」のは、未経験者にとって大きな武器です。営業や接客のような「センス」で測られる職種と違い、経理は努力が資格という形で見えるからです。

未経験から経理になるステップ

ステップ1:簿記3級を取る

まず最初の一歩は簿記3級の取得です。これは「経理をやる意欲と基礎知識がある」ことを示す、未経験者の一番確かな武器。独学で50〜100時間、数千円のテキスト代で取れます(簿記3級を独学で取る方法)。

求人に「簿記3級以上」と書かれていることも多く、3級があるかないかで応募できる求人の数が変わります。まずはここからです。

ひとつ補足です。新卒の方や20代の方は、簿記がなくても採用されることがあります。「これから育てる」前提で募集している会社があるからです。その場合、面接では明るくはきはき受け答えできるか、一緒に働けそうかがよく見られます。もちろん簿記があれば、それに越したことはありません。

一方、社会人経験のある方は、これまで働いてきた経験そのものが大きな武器です。そこに簿記が加わると「入ってすぐ動ける人」として見てもらえます。大事なのは年齢よりも、今までの経験と意欲をどう見せるかです。

現場から経理歴22年の管理人

独学のほかに、職業訓練校という道もあります。私は3回通いました。

転職の合間に、そのつど通っています。簿記3級のコースに通ったのも、失業していたときでした。授業料は基本的にかからず(テキスト代などは自己負担)、条件を満たせば手当が出る場合もあります。お金をかけずに勉強できる期間だと思えば、使わない手はありません。

通ってよかったのは、毎日決まった時間に机に向かう形ができることです。独学だと後回しにしてしまうところを、時間割が引っ張ってくれます。同じ立場の人が周りにいるのも、思っていたより効きました。ひとりで焦っているより、ずっと気が楽です。

ただし、受けられる条件や、次に受けられるまでの間隔には決まりがあります。地域やコースによっても違うので、気になる場合はハローワークで確認してください。

ステップ2:できれば簿記2級まで

3級で応募の土俵には立てますが、2級まで取ると採用の確率がぐっと上がります。特に未経験で30代以降の場合、「2級を持っている=本気度が高い」と評価されやすいです。すぐにでも転職したいなら3級で動き出し、並行して2級を目指すのがおすすめです。

ステップ3:会計ソフトに触れておく

今の経理はクラウド会計ソフトが中心です。freeeやマネーフォワードの無料お試しで操作に触れておくと、面接で「ソフトを使ったことがある」と言えて好印象です(会計ソフト3社比較)。実務のイメージもつかめます。

面接をする側にいた経験から言うと、未経験で応募してくる人のうち、事前にソフトを触ってきた人はほとんどいません。私は会ったことがありません。だからこそ、無料のお試しで少し触っておくだけで、それだけでやる気が伝わります。難しい操作を覚える必要はありません。「画面を見たことがある」「入力の流れが分かる」だけで十分です。

ステップ4:求人を探す・応募する

未経験者は「未経験歓迎」「経理アシスタント」「経理補助」といった求人を狙うのが現実的です。いきなり経理リーダーは難しくても、補助からスタートして経験を積むのが定番ルート。最初の1社で実務経験を作れば、その後の選択肢は一気に広がります。

ただし「未経験歓迎」の求人は、これから育てる前提で、若い人を想定しているものも多いのが実際のところです。社会人経験のある方は、入口を経理だけに絞らないほうが早く決まります。

入口を「経理一本」に絞らない

① 「事務+経理」の求人を狙う

  • 一般事務+経理
  • 総務+経理
  • 営業事務+経理
  • 総務・庶務+経理
  • 管理部門スタッフ

いきなり「経理職」一本で探すより、これまでの社会人経験を活かせる求人のほうが通りやすいです。入ってから経理の担当を増やしていく道もあります。私自身、いまは経理と一緒に総務・労務・人事も担当しています。前に勤めた会社では、一般事務や営業事務が中心のこともありました。中小企業ではこの形がふつうです。

② 検索の条件を組み合わせる

  • 年齢不問
  • 中高年活躍中
  • シニア活躍中
  • 主婦・主夫歓迎
  • ブランクOK
  • 経験不問

「未経験歓迎」だけで探すと、出てくる求人がかたよります。上のような条件を足すと、これまでの経験を評価してくれる会社が見つかりやすくなります。

大事なのは「若くないと無理」とあきらめることではなく、入口を経理一本に絞らないことです。事務+経理で入って実務経験を作れば、次は経理職として動けます。

未経験者の志望動機はどう書く?

面接でよく問われるのが「なぜ経理を?」です。未経験者は次の3点を盛り込むと説得力が出ます。

  • なぜ経理なのか:「コツコツ正確な作業が得意」「数字で会社を支えたい」など、適性と結びつける
  • すでに動いている証拠:「簿記3級を取得した/勉強中」という具体的な行動
  • 前職の経験との接続:「前職の事務で正確性を磨いた」など、活かせる強みを示す

「なんとなく安定してそうだから」では弱い。「適性+すでに行動している」を示せると、未経験でも一気に評価されます。

志望動機の組み立て方

順番はこの4つです。

  1. なぜ経理なのか
  2. これまでの仕事で培った経験
  3. その経験が経理でどう活かせるか
  4. 未経験の部分をどう補うか

例文です。

これまで事務の仕事を通じて数字を扱う機会が多く、正確に仕事を進めることにやりがいを感じてきました。以前から経理の仕事に興味があり、簿記の学習を始めたことをきっかけに、経理の専門知識を身につけたいと考えるようになりました。これまで培ってきた正確さや責任感、周囲と連携して仕事を進める経験を活かしながら、未経験の業務についても一つずつ学んでいきたいと考えています。

そのうえでもう一歩。求人票に書かれた仕事の中に、自分がやってきたことと重なる部分があれば、そこは「できます」と言い切るくらいでちょうどいいです。データ入力、電話対応、書類の管理、Excelでの集計——事務の経験があるなら、経理の仕事のいくつかはすでに経験ずみです。そのうえで、経理そのものは未経験だと分かっているので、学ぶ意欲は強めに伝えます。この組み合わせがいちばん伝わります。

社会人経験がある人は「仕事そのものは未経験ではない」

「未経験だから何もできません」ではなく、「経理は未経験ですが、仕事そのものは未経験ではありません」という見せ方をします。今までの仕事から、経理につながるものを拾ってください。

今までの仕事経理につながる強み
接客人と向き合う力・責任感
営業お客様対応・数字への意識
一般事務パソコン・書類管理・正確さ
製造手順を守る力・品質の管理
パート・家庭のやりくり続ける力・段取り

そして「簿記を勉強しています」で止めないこと。「実務で活かせるように、簿記の学習を続けています」まで言います。同じ勉強でも、仕事につなげて話せるかどうかで受け取られ方が変わります。

正社員にこだわらない。パート・契約社員・派遣から入る

未経験でいきなり正社員の経理を狙うと、かなり狭き門になります。だから入口を変えます。

  • パート・契約社員・派遣の経理事務から始める
  • 仕訳の入力、伝票の整理など範囲を区切った仕事から入る
  • 在宅の経理の仕事で、仕訳入力から経験を作る

経理は「実務をやったことがあるか」がものを言う仕事です。1年でも実務があると、次に応募するときの扱いがまったく変わります。まず経験を作って、そこから正社員を目指す——この順番のほうが、結果的に早いです。

これまでの職歴がある方は、「簿記+今までの経験」の合わせ技で見てもらえます。事務の経験があるなら事務の部分は即戦力ですし、接客や営業の経験があるなら、社内外とのやり取りで役に立ちます。

職歴が少ない・ブランクがある人のアピールの仕方

職歴の欄が短くても、何もしないで月日が過ぎたわけではありません。やってきたことを、仕事の言葉に置きかえて伝えてください。

やってきたこと仕事の言葉に置きかえると
子育て段取り・時間のやりくり・急な変更への対応
PTAや子ども会の役員会計や名簿の管理・人との調整・期限を守る力
学生時代から長く続けたスポーツ続ける力・地道な積み重ね・チームで動く力
長く続けている趣味集中して細かい作業ができる・自分で調べて覚える力

とくにPTAで会計を担当した経験は、そのまま話せます。お金を預かって、集めて、記録して、報告する。やっていることは経理と同じです。実際、こういう話をきちんと伝えられる人は、面接で評価されます。

年代別の現実【30代・40代・主婦からでも遅くない?】

本当のところを年代別にお伝えします。

年代・属性現実
20代若さと伸びしろで採用されやすい。簿記3級でも十分チャンス
30代簿記2級+前職の事務経験があると有利。十分目指せる
40代ハードルは上がるが、簿記2級+パート・派遣から実務を作る道がある
主婦・ブランクありパート経理・在宅経理から復帰する人は多い。簿記が後押しになる

年代が上がるほど「資格+本気度の証明」が重要になりますが、40代・主婦からでも経理デビューしている人は実際にたくさんいます。パートや派遣で実務経験の入口を作るのが、遠回りに見えて確実なルートです。

入ってから、どれくらいで慣れる?

「なれるかどうか」と同じくらい気になるのが、入ったあと、いつになったら楽になるのかだと思います。ここは実際にやった人でないと書けないところなので、そのままお伝えします。

現場から経理歴22年の管理人

私の場合は、こんな順番で分かってきました。

  • 2か月/月の仕事の流れが分かる。毎月おなじことをくり返すので、ここは早いです
  • 1年/年の流れが分かる。決算や年末調整まで一周すると、1年の形が見えます
  • 1年半/「なんとなく大丈夫かな」と思えてきました
  • 2年目/全部ひとりでできるわけではありません。でも次に何があるかは分かるようになります

ただし、スピードはまだまだかかります。「分かる」と「速くできる」は別ものです。

ここで知っておいてほしいのは、「できる」=全部ひとりでやれること、ではないということです。まずは「次に何があるか分かる」状態を目指せば十分です。

経理は毎月・毎年くり返す仕事です。だから一周すれば見通しが立ちます。最初のしんどさには、ちゃんと終わりがあります。

私が最初につまずいたのは、この2つ

① 仮払金・仮受金・未払金・未収金

似た言葉が4つならんでいて、どれを使えばいいのか分かりませんでした。いま整理すると、見るところは2つだけです。

お金はもう動いたお金はまだ動いていない
出ていく仮払(仮に払った)未払(まだ払っていない)
入ってくる仮受(仮で受けた)未収(まだ受け取っていない)

「お金がもう動いたか、まだか」と「入るのか、出るのか」。この2つで決まります。4つを言葉として覚えようとすると、かえってこんがらがります。

ただ、当時の私が本当につまずいていたのは、勘定科目の意味ではありませんでした。会社の取引そのものを知らなかったことです。

会社にお金が入っていても、それが何の入金なのか分からなければ、どの科目にすればいいか決められません。逆に先に払っていても、何のために払ったのか、最後は何の費用になるのかが分からなければ、仮払金なのか前払費用なのか判断できません。

つまり経理は、勘定科目を覚えるだけでは足りません。その会社が何を売っていて、誰とどんな取引をしていて、そのお金が何のために動いたのかを知ることが必要です。ここが分かってくると、「この入金は何のお金だろう」と調べるときも、取引の流れから見当がつくようになります。

だから経理を始めたばかりのうちは、分からない仕訳をいきなり暗記するより、「このお金は、誰から・何のために・いつ・なぜ動いたのか」を確認する癖をつけるほうが近道です。

② 経費なのか、仕入なのか

本音を言うと、これは22年やっているいまでも、はっきりしない場面があります。簿記の知識だけでは決まらず、「それを何に使うのか」という事実を確認しないと判断できないからです。分からないのは、あなたの理解が足りないからではありません。

現場から経理歴22年の管理人

分からないとき、私は「分かりません」とだけ聞きに行くことはしませんでした。

仮払・仮受・未払・未収は、まず自分で答えを出してから、税理士に確認しました。経費か仕入かは、買った本人に「これ、何に使うんですか」と聞いてから、上司に相談しました。

自分の答えを持っていくと、聞くのが怖くなくなります。そして「なぜそう考えるか」まで教えてもらえるので、次からは自分で判断できるようになります。

経理になった後の広がり

経理は「なって終わり」ではなく、その先にも道が広がります。

  • 経理のキャリアアップ:補助→担当→主任→管理職、専門性を深める
  • 在宅・パートで柔軟に働く:人生の段階に合わせやすい(在宅経理の仕事内容)
  • 経理スキルで副業する:記帳代行など、経験を副業収入に変える(経理副業の案件の探し方)

つまり、未経験から経理に入ることは「一生もののスキルの入口」に立つということ。長い目で見て、コスパの良いキャリア選択だと思います。

この経験は、副業でこう活きます

未経験から経理になった人が、そのあと副業まで進むとき。順番をまちがえないことが大事だと思っています。

いきなり副業から始めない

経理の副業は、聞ける相手がいない状態で判断する仕事です。会社なら上司や税理士さんが最後に見てくれますが、副業では出した数字がそのまま相手の帳簿になります。

だからまず会社で1年まわすことをおすすめします。決算も年末調整も一度は見た、という状態になってからのほうが、受けたあとが楽です。

1年まわると、書けることが増える

この記事に書いたとおり、2か月で月の流れ、1年で年の流れが分かります。そこまで来ると、応募するときにこう書けます。

「月次の締めから試算表まで、1年ぶん通してやりました。年末調整も一度経験しています」

未経験で始めた人でも、1年たてばこれが書けます。資格より具体的で、相手に伝わります。

「できる」の意味は、副業でも同じ

全部を1人でやれることではなく、次に何が来るか分かること。副業でも、これができる人が続けて頼まれます。

まとめ

  1. 未経験から経理になることは十分可能
  2. 最初の一歩は簿記3級。できれば2級まで取ると採用率が上がる
  3. 会計ソフトに触れておくと面接で有利
  4. 志望動機は「適性+すでに行動している証拠」を示す
  5. 30代・40代・主婦からでも、資格と本気度で道は開ける
  6. 入口は経理一本に絞らない。「事務+経理」や「年齢不問」「ブランクOK」も組み合わせて探す
  7. 正社員にこだわらず、パート・契約社員・派遣で実務経験を作る
  8. 入ってからは2か月で月の流れ、1年で年の流れが見えてくる

経理は、努力が資格と経験という形で確実に積み上がる職種です。「未経験だから」とあきらめず、まずは簿記3級の勉強から、一歩を踏み出してみてください。

※本記事は筆者の実務経験に基づく一般的な見解であり、採用や転職の成功を保証するものではありません。求人状況・採用基準は時期や企業により異なります。2026年6月時点の情報に基づきます。

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管理人|経理歴22年
現役の経理事務職(日商簿記2級/FP3級)/ keiri-fukugyo.com

日商簿記2級・FP3級保有。中小企業で経理を担当しながら、総務・労務・人事も兼任しています。これまでに勤めた会社では、一般事務や営業事務も経験しました。実務で培った知識をもとに、副業に取り組む人向けの情報を発信しています。

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