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職種別の副業

採用・面接の経験は副業に活かせる?人事の経験から考えた5つの仕事

2026年7月2日

採用の副業と聞くと、「専任の人事じゃないと無理では?」と思うかもしれません。でも実際の募集で求められているのは、肩書きより「採用の現場を回した経験」です。求人票を書き、応募者とやり取りし、面接をして、入社まで見届ける——この一連を“片手間でも”やったことがある人は、それだけで十分に戦えます。

しかも人事経験者には、他の職種にない強みがあります。「採用する側」と「される側」の両方を助けられることです。企業の採用代行もできれば、転職する人の職務経歴書の添削もできる。この記事では、その両方向の副業を、単価の目安と法律の注意点(職業安定法)つきで紹介します。案件数の公的データはありませんが、採用難を背景に「手伝ってほしい」の声は確かにあります。

「採用する側」を経験した人は、なぜ強いのか

本業でやっているこれらの業務が、そのまま副業の「商品」になります。

  • 採用実務:求人票の作成、媒体運用、応募者対応、面接の日程調整
  • 面接・選考:書類選考、面接の実施・評価
  • 入退社対応:内定連絡、入社書類の案内、受け入れ準備
  • 研修・育成:新人研修の企画・運営、マニュアル作成

ただし人事の副業にも、労務・経理と同じく法律の線引きがあります。先に結論だけ言うと「企業の採用業務を代行する(RPO)のはOK、人を紹介して紹介料をもらう(職業紹介)のは許可制でNG」。これは後ほど詳しく書いていきます。

金額について。ここに書いた数字は、私がクラウドソーシングサイトの公開されている募集を見た範囲のものです。公的な統計はありません。「相場」として保証できるものではなく、実際の金額は案件の中身・件数・会社によって大きく変わります。目安として読んでください。

先に断っておきます。ここに挙げる5つを、私が全部、副業として受注したわけではありません。なので「会社で実際にやってきた業務」と「経験から副業になりそうだと考えた仕事」を分けて書きます。どちらなのかは、それぞれの見出しの下に書いてあります。自分の経験と重なるかどうかの判断に使ってください。

① 採用代行・採用アシスタント(募集で見た金額:時給1,500〜3,000円程度)

● 会社で実際にやってきた業務

人事系の副業では、私が実務の経験から見ていちばん入りやすいと思うのがここです。RPO(採用業務代行)と呼ばれる領域で、企業の採用活動の一部を代行します。

  • スカウトメールの送信・文面改善
  • 応募者への連絡、面接の日程調整
  • 採用媒体の管理、応募データの集計

在宅・週数時間から関われる募集も見かけます。クラウドソーシングやオンラインアシスタントサービスで「採用アシスタント」「採用代行」と検索すると見つかります。本業での媒体運用経験・スカウト経験があると、できることとして書ける材料が増えます。

② 求人票・スカウト文面のライティング(募集で見た金額:1本数千円〜)

● 会社で実際にやってきた業務

「応募が来る求人票」を書ける人は、そう多くないと思います。仕事内容の整理、ターゲットに響く表現、労働条件の正確な記載——人事として求人を出してきた経験がそのまま活きます。

求人票の作成・リライト、スカウト文面のテンプレート作成などが案件になります。書いた結果(応募数の変化)が数字で見える仕事なので、実績を作ると単価交渉がしやすいのも特徴です。

③ 職務経歴書の添削・キャリア相談(募集で見た金額:1件3,000〜10,000円程度)

○ 経験から「副業になりそう」と考えた仕事

今度は「採用する側」の経験を「応募する側」の支援に使う方向です。ココナラなどのスキルマーケットで、職務経歴書の添削・面接対策のサービスは定番の人気ジャンルになっています。

  • 「人事として書類選考をしてきた立場から添削します」は強力な武器
  • 面接官経験があれば、模擬面接・想定質問集の提供も商品になる
  • 1件単位で完結するので、スキマ時間と相性が良い

なお「キャリアコンサルタント」は名称独占資格のため、資格がない場合はこの肩書きを名乗らないこと。「人事経験◯年の視点でアドバイスします」という実務ベースの見せ方で十分戦えます。

④ 研修コンテンツ・マニュアルの作成(募集で見た金額:案件単位で数万円〜)

● 会社で実際にやってきた業務

新人研修の資料、ビジネスマナー教材、業務マニュアル、新人受け入れの手順書などの作成代行です。「実際に研修を回してきた人」が作る資料には、机上のテンプレートにない実用性があります。

本業で作った研修資料の「型」を一般化して、テンプレートとしてストック販売する道もあります。受託(働いたぶん収入)と販売(作って売る)を組み合わせられる領域です。

⑤ 人事・採用系のライティング(募集で見た金額:1文字1〜3円程度)

○ 経験から「副業になりそう」と考えた仕事

採用のコツ、面接の進め方、人事制度をテーマにしたWeb記事の執筆です。HR系メディアや採用ツール企業の自社の情報サイトは、実務経験者の書き手を常に探しています。「中小企業で人事を兼任してきた」という現場感は、専業ライターにはない武器になります。

人事副業で知っておくべき法律の線引き【職業安定法】

人事系の副業で必ず押さえるべきなのが職業安定法です。

業務無許可でできるか(原則)
企業の採用業務の代行(スカウト送信・応募者対応・日程調整)原則できる
求人票・スカウト文面の作成原則できる
職務経歴書の添削・面接対策(求職者支援)原則できる
求職者と企業を引き合わせて紹介料を受け取る(職業紹介)許可が必要(有料職業紹介は厚生労働大臣の許可制)
「キャリアコンサルタント」を名乗る(無資格で)名乗れない(名称独占資格)

※この表は原則の整理です。同じ名前の作業でも、実際の中身によってあてはまり方が変わります。迷ったら、それぞれの会(税理士会・社労士会・弁護士会など)や所管の役所に確認してください。

ポイントは、「企業の中の人として採用業務を手伝う」のはOK、「間に立って人を紹介し、報酬を得る」のは許可がないとNGという区別です。「知り合いを紹介したら1人あたり〇万円」のような話は、無許可なら職業紹介に該当する恐れがあります。安易に受けないでください。

「どこからが資格者しかできない仕事?」——そう思ったら経理副業はどこまでできる?へ。記帳代行と給与計算の合法な範囲が分かります。バックオフィス系の副業は「どこまでやっていいか」を知っている人が最後に信頼されます。

採用まわりで、いちばん気をつけたいのは「個人情報」

人事の副業には、法律の線引き(職業安定法)とは別に、他の職種以上に神経を使うべき点があります。応募者の履歴書・職務経歴書という、とても強い個人情報を預かることです。ここでの事故は、信用を一発で失います。

  • 受け取ったデータは案件の外に出さない・私物の端末に残さない:作業が終わったら、指定の方法できちんと削除する
  • 応募者の情報を「実績例」として自分の宣伝に使わない:実名や所属が分かる形での公開はNG
  • 不採用者のデータの扱いを最初に確認する:保管期間や破棄のルールは会社ごとに違う

逆に言えば、「個人情報をきちんと扱えます」と最初に言えることが、採用系の副業ではいちばんの信頼材料になります。

始め方は「経験の棚おろし」から

  1. 就業規則の確認と経験の書き出し・整理:採用人数・使った媒体・面接件数・作った資料を書き出す(副業の始め方5ステップ)
  2. クラウドソーシング・スキルマーケットに登録:「採用代行」「採用アシスタント」「職務経歴書 添削」で検索(案件の探し方)
  3. プロフィールに実務経験を具体的に書く:「中小企業で採用〜入社対応まで◯年」は強い肩書きになる

副業で得た収入の税金の扱いは20万円ルールの記事を確認してください。

現場から経理歴22年のゆい

私自身、中小企業で、求人票づくりから面接、入社から退職までの手続きまで担当しています。面接は同席するだけでなく、面接官として会社の説明や仕事内容の説明をして、私が面接をしたこともあります。専任の人事担当がいない会社では、これらを総務や経理の人が兼任しているのが普通です。

だからこそ、「採用の実務を一通りやったことがある」というだけで、副業市場では十分な経験になります。専任でなくてよかったのか、と不安に思う必要はありません。

まとめ

  1. 採用難を背景に、採用まわりの募集は見かける(増減を示す公的データはない)
  2. 入りやすいと思うのは採用代行(RPO)・採用アシスタント。在宅・週数時間の募集も見かける
  3. 求人票ライティング・職務経歴書の添削・研修コンテンツ作成も実務経験が活きる
  4. 職業紹介(人を紹介して紹介料)は許可制。無許可で受けない
  5. 「キャリアコンサルタント」は無資格で名乗らない。実務経験ベースの見せ方で十分

人事の仕事は「人と組織を見てきた経験」そのものが商品になります。経理・労務と並んで、兼任バックオフィス担当の隠れた武器です。自分の経験の書き出し・整理から始めてみてください。

参考・出典(公的機関のサイト)

※副業の需要や案件数について、公的な統計はありません。この記事の見立ては、公開されている募集と筆者の実務経験にもとづくものです。実際の募集状況は、クラウドソーシングサイトなどでご自身でも確かめてください。本記事は一般的な情報を紹介するもので、個別の法律判断を行うものではありません。単価・相場は執筆時点の各種クラウドソーシングサイトの公開案件をもとにした目安であり、保証するものではありません。職業安定法など関連法令の解釈に迷う場合は専門家や労働局にご確認ください。2026年7月時点の情報に基づきます。

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ゆい|経理歴22年
現役の経理事務職(日商簿記2級/FP3級)/ keiri-fukugyo.com

日商簿記2級・FP3級保有。中小企業で経理を担当しながら、総務・労務・人事も兼任しています。これまでに勤めた会社では、一般事務や営業事務も経験しました。実務で培った知識をもとに、副業に取り組む人向けの情報を発信しています。

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